変形性膝関節症(炎)

原因と対策

変形性膝関節症(炎)

矢作治療院に来院される膝が痛いという方のほぼ90%は、変形性膝関節症だと思われます。変形性膝関節症は、高齢者になるほど罹患率が高くなるとされていますが、意外とまんべんなくすべての年齢層でみられます。ただ、高齢者の方の方が症状が強く出ています。また、男女比では1:4で女性に多くみられるそうですが、これもまた男性でも意外と多いのです。

症状としては、膝関節の痛みと水が溜まることです。
初期では立ち上がるなど動作の開始時にのみ痛み、休めば痛みが和らぎますが、中期になると、正座や階段の昇降が困難となっていきます。末期になると、安静時にも痛みを感じ、変形が目立ち、膝が伸びず歩行が困難となっていきます。

引用:日本整形外科学会

(画像はネットより拝借)

原因

原因は、関節軟骨の老化によるものが多く、肥満や素因(遺伝子)も関与しています。
また、骨折、靭帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。
加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使いすぎによりすり減り、関節が変形します。

引用:日本整形外科学会

医学の範疇では、老化という言葉で片付けてしまいます。もちろん、加齢により骨は弱くなり、周りの筋肉も弱くなるので変形が進むと言えます。しかし、矢作式の考え方では、筋力を維持することが大切ですが、正しい膝の使い方を長年やってこなかったことが原因であると思います。
原因は多種多様であり、複雑です。生活習慣や仕事内容、姿勢なども深く関わっています。合わない靴を履きつつけることでも、膝に負担をかけています。スポーツによる捻りも変形の原因となるでしょう。西洋文化が入り、正座の習慣も消えてしまっています。足首の硬さ、股関節の硬さも関わっています。
変形性膝関節症、つまり膝関節の変形の原因は老化ではなく、若い頃からずっと続けてきた正しくない体の使い方によるものだと思うのです。

治療

症状が軽い場合は痛み止めの内服薬や外用薬を使ったり、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。また大腿四頭筋強化訓練、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションを行ったり、膝を温めたりする物理療法を行います。足底板や膝装具を作成することもあります。

このような治療でも治らない場合は手術治療も検討します。これには関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。

引用:日本整形外科学会

整形外科では、上記のような処置を施すと思います。症状が強い、変形がかなり進んでしまっている場合は、人工関節などの手術も視野に入れるべきだと思われますが、あくまでも最終手段だとして検討して下さい。

症状が軽い場合でも、痛み止めや湿布など、またヒアルロン酸の注射で症状に変化があったという方は少ないと思います。ほとんどの方は、痛みは消えてはいません

症状が軽くてもある程度の変形がある場合、変形自体を治していくには変形してきた年数分をかけて元に戻していくということを想像して下さい。治療としては、膝関節にかかる荷重や負担を正常な状態に戻してやるというのが基本です。変形があると、膝にかかる荷重の軸がズレてしまっています。つまり、軸がズレているので摩耗が激しいのです。
この軸を整えることが、重要であり、「膝に乗る」という状態を作り出す、近づけるのです。その役割を担っているのが、「半月板」です。また、股関節から足首までの軸も大切ですから、膝関節だけを調整するということではありません。足関節も重要です。

ほとんどの場合、「半月板」にズレがあります。ほんのわずかなズレでも、膝関節内部では不安定感が起きて、その感覚を無意識レベルで脳が捉えているのです。不安定なものがあれば、脳からの司令で膝関節を固めることをします。出来るだけ動かない状態を作り出します。突っ張った歩き方や、踏ん張ることから逃げる動作をします。これが、逆に負担となることが多い。長年の不自然な動き、使い方で変形が進んでいきます。だから、最初に治しておくべきなのは、「半月板のズレ」です。

予防

変形性膝関節症の予防として最大の効果を発揮するのは、下半身の強化です。そして日常的に正しい体の使い方をしていくということ。

整形外科的には、変形性膝関節症の悪化を防ぐには・・・

予防(日常生活での注意点)
  • ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。
  • 正座をさける。
  • 肥満であれば減量する。
  • 膝をクーラーなどで冷やさず、温めて血行を良くする。
  • 洋式トイレを使用する

以上のことなどが挙げられます。

引用:日本整形外科学会

治療として軸を整えるということが大切であり、その後は下半身強化をすべきなので、安静にすることは逆効果だと思っています。ふとももの前の筋肉を鍛えるのは当然のことですが、下半身強化の一部ですので全体的にバランスよく鍛えるようにすべきです。痛みがあるのでスクワット系は難しいと思いますが、椅子から立ち上がる動作とかを何回かやるとかで工夫してもらいたい。あくまでも無理をせずというのが前提ですが、半月板を整えたら湯船の中で正座の練習はやった方が良いと思います。動かすことで膝関節の機能が回復していきます。

平地を歩く場合は、普段の歩幅で歩いて下さい。坂道の登り、下りは歩幅を狭めて下さい。普段の歩幅の半分くらいで。もし不安定な場合は、杖を使って下さい。非常に楽になります。階段はゆっくりと確実に「膝に乗る」状態を作ってから、グッと力を入れて膝を伸ばす。降りる時は、確実に着地してから「膝に乗る」ことです。

 

以上

今後、加筆、修正等が入る可能性もありますのでご了承下さい。

矢作治療院

 

 

矢作治療院院長 矢作晋

矢作治療院院長の矢作晋と申します。当院では、あなたの痛みを解消、正しい体へと復元し、健康と最高の笑顔を取り戻すことを理念としています。腰痛、膝痛、肩痛だけでなく、プロ野球トレーナー(元巨人軍トレーナー)の経験からスポーツ障害に対しても得意としています。矢作治療院に来て良かったと言われるよう日々研究しておりますので、ご遠慮なく何でもご相談下さい。お待ちしております。

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矢作治療院院長 矢作晋

矢作治療院院長の矢作晋と申します。当院では、あなたの痛みを解消、正しい体へと復元し、健康と最高の笑顔を取り戻すことを理念としています。腰痛、膝痛、肩痛だけでなく、プロ野球トレーナー(元巨人軍トレーナー)の経験からスポーツ障害に対しても得意としています。矢作治療院に来て良かったと言われるよう日々研究しておりますので、ご遠慮なく何でもご相談下さい。お待ちしております。

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